医療法人弘智会 大林新地クリニック

熊本市北区の 内科,胃腸科,循環器科,外科,肛門科,心臓血管外科,リハビリテーション科
医療法人弘智会 大林新地クリニック

〒861-8075 熊本県熊本市北区清水新地7丁目9-22
TEL 096-386-3337
※上記QRコードを読み取っていただきますと、一般の携帯からは携帯サイトが、スマートフォンからは、スマートフォンサイトが閲覧可能です。

「本日休診 書に親しみ、書を楽しむ」

「書」に親しみ、「書」を楽しむ。

「書」に親しみ、「書」を楽しむ。  「愛」という私の直筆の書を、クリニックの待合室に飾っています。「愛」という言葉は、私の医療の原点です。昨年1月4日の書初めで書いた作品です。
 現在大学4年生の長男が、小学3年生のとき、近くの書道教室に通い始めました。先生は、私より二回り年上で、何とも褒め上手で人柄の素晴らしい師です。熊本県の水墨画の会長でもあり、絵心のある書道の先生です。この先生の魅力に引かれて、いつの間にか長男の横で私も筆を握り、書に親しむようになり、かれこれ10年が過ぎました。現在、書道七段です。私は、道がつくものが好きなようで、剣道四段、居合道三段でもあります(ここ20年ほど竹刀は握っておらず、もっぱら最近はテニスのラケットを振り回しています)。今は、中学1年生の長女と妻との三人で長い書机に並び、書を楽しんでいます。昨日も午後7時から2時間、書に親しんできました。妻とは書道、テニスと同じ趣味を持ち、これらが家庭円満の源にもなっています。
 大好きな墨の香り漂う部屋で静なる(聖なる)時間を過ごす。何とも贅沢でいいものです。楷書、行書、草書を書いていく。楷書は立つが如く、行書は行く(歩く)が如く、そして草書は走るが如く。それぞれに味わいがあります。李白、杜甫、陶淵明などの有名な詩の五文字や王羲之の書の臨書六文字の大きな字を書いたら、次に細字、手紙文、かな文字と書いていきます。
 起筆、とめ、はね、はらい、終筆と一連の動作で書いていきます。なんとも単純な動作ですが、これがまた奥が深い。少しずつ、少しずつしか上達しません。よくできたと納得できる字が書けることはまれです。自分の腕に腹が立つこともあります。一字一字はよくとも全体のバランスが悪いことも。そして空間の使い方。紙の白と墨の黒のなす不思議な世界です。十枚目、二十枚目、そして「もう今日は精根使い果たして書けない」と最後にやっと今月の清書が出来上がるときもあれば、一枚目に無心で書いたものが最もよかったりします。上手に書こうと欲を出したらだめです。クリニックの「愛」の書も、最初に淡々と楽しんで書いたものでした。その後何枚か書きましたが、一枚目を超える作品はありませんでした。
 「書は体を表す」とも言います。他の人の書を観ると段位に関係なく、それぞれ独特の味わいがあります。私の書体は先生から「スキッとしているね。優しさにあふれた字ですね」と言われます。ありがたい評価です。
 本日休診の表題を「書に親しみ、書を楽しむ」としましたが、「今日はきついので書道は休もうかなぁ」と思うときもあります。約2~3時間、時には息を止めながら書いた後、疲れ果てるときもあります。しかし、書は楽しい。少しずつでも上達を実感できるとき、「うん、よくできた」と納得いく作品が出来たとき、そして敬愛する先生との書を通しての語らい。
 「静の書」と「動のテニス」。これら二つが私の本日休診の両輪です。これからも書に親しみ、書を楽しむ生活を続けていきたいと思います。

   -熊本市の医師会雑誌に投稿した文章です。-